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童謡「七つの子」の謎

<童謡「七つの子」>
童謡の「七つの子」にはカラスが出てきます。
カラスは、黒い姿と、甲高い鳴き声から、あまりよいイメージを持っていません。
特に、最近は、ゴミ収集所に集まるカラスに脅威を感じる程です。
「七つの子」に「七つ」の解釈の謎がひそんでいました。
ちょっと調べてみましょう。

「七つの子」 からす なぜ啼くの
からすは山に
可愛い七つの
子があるからよ
可愛 可愛と
からすは啼くの
可愛 可愛と
啼くんだよ
山の古巣へ
行つて見て御覧
丸い眼をした
いい子だよ
(作詞、野口雨情1945年01月27日没 1995年著作権保護期間満了済)
(作曲、本居長世1945年10月14日没 1995年著作権保護期間満了済)

原型は明治40年出版の月刊詩集「朝花夜花」に収められていた「山烏」という詩で、 大正10年に改作し発表された。

原詞では漢字の「烏」ですが、私はあえて「からす」と表記しました。
子供と母との会話の歌なので漢字の難しい字を使うのはイメージに合わない事と カタカナの「カラス」だと外来語みたいで親しみを感じる童話に合わないからです。
平仮名で表すことによりかわいらしさが出ます。
雨情の母校である北茨城市立精華小学校の「七つの子」の碑では、「からす」となっています。

<「七つ」は、何を表す>
「七つ」は七羽を表す説
私も含めて、七羽だと思っている人は多いと思います。
今まで、疑問にも思いませんでした。

「七つ」は七才を表す説
学者の間で最も有力視されているのが、七才の子供を指している説です。

「七つ」は沢山を表す説
沢山のカラスの子を、七つの子と表現している。
従って、七つという数字自体には大きな意味を持たない。

「七つ」は幼いを表す説
幼い子供の感じを七つと表現している。
従って、七つという数字自体には大きな意味を持たない。

上の説は大きく分けると、カラスの子供の数か幼さも含む歳かになります。
それぞれの説への論議があります。

数とすることの論議
鳥の数え方は七羽とするのが正しいので七つが数を表すのは適切でない。
子供に語るのに、烏を人に喩えていて、人間の子供を「双子」「三つ子」「四つ子」
「五つ子」と呼ぶつながりから「七つ子」⇒「七つの子」と呼んでも不思議ではない。
烏は実際には一度に七羽もの雛を育てる事はない。
実際に何羽を育てるかは子供にとって関心がないことで、兄弟姉妹がいることを表している。
七羽だとすると「いい子だよ」(単数)と矛盾する。
複数形の「いい子らだよ」等にすると語呂が悪い。
「いい子」という表現は複数形にしなくても複数を表す。

歳とすることの論議
七才だとすると烏は成鳥になっているので子供ではない。
子供に語るのに、烏を人に喩えていて、人間の子供の七才を思い浮かばせているので 子供として扱っても問題ない。
七才の子だと「いい子だよ」(単数)と矛盾しない。
七羽のいい子(複数)でも意味が通る。
雨情の息子が7才のころに作られた歌である。
状況事実でしかない。
7才の時に別れた母への思いが込めらている
母との別れは事実状況でしかない。

結局のところ、七つは数なのか歳なのか分からないようです。
ただ、どちらが正しいとかと言った論争に執着する事は、作者も望んでいないことであろうと思う。
作者も生涯の内で、この謎について明確にした物を残していない。
私は、作者は人の心に残ればよいと考えていると思えてならない。

<日本の烏>
日本でよく見かけるカラスは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種である。
全身が黒いので、一般には両者を区別していないが違いがある。
特別なカラスとして、北海道にワタリガラス、九州にミヤマガラスとコクマルガラス、
迷鳥としてニシコクマルガラスとイエガラスなどがいる。
英語で「カラス」はおおまかに言って、大きさにより呼び方が区別される。
大型種は「raven」、中型種は「crow」、小型種が「rook」や「jackdaw」と呼ばれる。
なお、日本で見られるハシボソガラス、ハシブトガラス、イエガラスは「crow」、 ミヤマガラスは「rook」、コクマルガラス、ニシコクマルガラス、イエガラスは「jackdaw」。

2種類の烏

ハシブトガラス(嘴太烏)
学名:Corvus macrorhynchos、英名:Jungle Crow
全長56cmほどで、全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色。
嘴が太く上嘴が曲がっているところと、額(嘴の上)が出っ張っているところが特徴。
英名から分かるように、元々は森林に住むカラスであるが、 近年は日本では都市部において急速に分布を拡げている。
雑食であらゆるものを食べる。
ゴミ収集所で見かけるのは殆どがこのカラスである。
産卵期は4月頃で、主に樹林内の大木に木の枝などを用いた巣を作り、2-5卵を産む。
抱卵日数は約20日で、メスのみが抱卵する。
雛への給餌は雌雄で行い、雛は孵化してから約1か月で巣立つ。

ハシボソガラス(嘴細烏)
学名:Corvus corone、英名:Carrion Crow
全長50cmほどで、全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色。
外から見える羽は黒いが、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットの ように白く柔らかな羽毛で、寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをする。
「カラスの行水」はこの様子を言ったものであるが、実際は短時間ではあるが 毎日水浴びをするきれい好きである。
(カラスの行水とは、入浴に要する時間が短いことのたとえ)
嘴が細く上嘴があまり曲がっていないところ、および額(嘴の上)が出っ張って いないところが特徴。
上記の特徴よりハシブトガラスに比べると、かわいらしい印象がある。
英名のCarrionとは、死肉[腐肉、死肉[腐肉]を食べる と言う意味で、 Carrion Crowは「死肉を食うカラス」を意味し雑食ではあるが、 ハシブトガラスよりも比較的植物質を好む傾向にある。
ハシブトガラスが森林に生息していたのに対し、本種は人里近くに生息し住み分けてきた。
かつて日本で「カラス」といえば本種を指したが、都市部へハシブトガラスが進出したため、 現在のカラスと言えばハシブトガラスの印象が強い。実際に、本種の数は漸減している。
産卵期は4月頃で、1回に3-5個の卵を産む。主にメスが抱卵し、 その間オスはメスに餌を運ぶ。抱卵日数は約20日。雛に対する給餌は雌雄共同で行い、 雛は孵化後約1か月で巣立つ。
本種は食用として、長野県上田市のカラス田楽という郷土料理である。
世界的にも中国や西洋において、古来より薬用として食べてきた歴史がある。

<烏を可愛いと歌った理由>
野口雨情が歌った烏はハシボソガラスだという事は間違いない。
従って、今、街で見るハシブトガラスと違い、ある意味可愛いと言うのは それほど間違ったことではないと思う。
ハシボソガラスで検索すれば、画像も探せますから、探して下さい。

参考にしたサイト
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』七つの子 で検索
狩野川河口の自然のエッセ-随筆の「七つの子」
昭和の思い出・ちょっといい話、懐かしネットワーク-まぼろしチャンネル
 の「課外授業」の第32回『七つの子』
山岸勝榮英語辞書・教育研究室の「日本の歌を英訳する」七つの子
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