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じゅげむじゅげむ・・も言えますか?

<じゅげむじゅげむ・・・>
覚えられない長い物の例として、落語の前座の小話「じゅげむじゅげむ」があります。
日本一長い名前です。早口で言えたら尊敬されることでしょう。
ちょっと前ですが、NHKの子供向け番組「にほんごであそぼ」で話題にもなりました。
その頃に覚えた子供達も多いかもしれません。

じゅげむじゅげむ
ごこうのすりきれ
かいじゃりすいぎょの
すいぎょうまつ
うんらいまつ
ふうらいまつ
くうねるところにすむところ
やぶらこうじのやぶこうじ
ぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがん
しゅーりんがんのぐーりんだい
ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの
ちょうきゅうめいのちょうすけ
寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末
雲来末
風来末
食う寝る処に住む処
やぶら小路の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助
(NHK「にほんごであそぼ」の例)

この「じゅげむ」にはいろいろなパターンがあることが調べて分かりました。
例えば

「やぶら小路の藪柑子」、「やぶら小路のぶら小路」、「やぶら小路のむら小路」、 「やぶら小路のやぶ小路」

「シューリンガンのグーリンダイ」、「シューリンガンのクーリンダイ」

「ポンポコピーのポンポコナの」、「ポンポコナーのポンポコピーの」

どれが正しいのか分からないのが実情のようです。

さらに、オチも数々あるらしいです。

<名前の由来>
子どもの名前を和尚さんにお目出たい名前の言葉を教わり、それを全て一つにしてしまった。
落語のなかで、和尚さんも名前の由来を説明しています。それを元に説明します。

【寿限無】
寿命が限りない。

【五劫の擦り切れ】
劫は、古代インドにおける時間の単位のうち最長のもので、無限に近い長い時間。
一辺40里(約160km)の岩を3年に1度、天女が舞い降りて羽衣で撫でて岩がすり切 れてなくなってしまうまでの時間。即ち、五劫の擦り切れとは、途方もない時間。

【海砂利水魚】
海の砂利や水の魚のように数限りないたとえ。

【水行末雲来末風来末】
水の行き先、雲の行き先、風の行き先、いずれも行き先は無限の空間で絶えることがないたとえ。

【食う寝る処に住む処】
読んだままの意味。人が生きていくうえで大切なもの。

【やぶら小路の藪柑子】
藪柑子(やぶらこじ)は、冬に赤い果実をつけ美しい木で、正月の縁起物ともされた。
頭のやぶら小路は意味不明、藪柑子のゴロあわせとでも思えば納得できる。
他の「ぶらこうじ」も意味不明だが、落語なので深く考えてはいけない。

【パイポパイポ〜ポンポコナーの】

昔、唐土(中国)にパイポという国があって、シューリンガンという王様とグーリンダイ という王后とポンポコピーとポンポコナーという2人の子供とも、皆が長生きをしたと 落語では説明されている。
中国は広いのでそんな国があってもおかしくないとという落語の中の逸話。

【長久命の長助】
長く久しい命、長く助ける。

<落語の始まり>
どの時点を落語の始まりとするかにより諸説あるようです。
年代順に簡単にまとめました。

おもしろ話の始まり
平安時代(794年-1185年頃)に民話、昔話、おとぎ話などの人々の間で伝承されてきた説話 (せつわ)を1059話も収録した「今昔物語集」(1120年以後の成立)があり、 鎌倉時代(1185年頃-1333年)の「宇治拾遺物語」(うじしゅういものがたり)(1213年〜 1221年頃に成立)全197話(但し、「古事談」「十訓抄」「打聞集」「今昔物語集」などに 類似の話が見られ、「今昔物語集」との重話は80余話もの数にのぼる)は、日常的な話題か ら珍奇な滑稽談など幅広い内容の説話を収録、 鎌倉時代の仏教説話「沙石集」(させきしゅう、しゃせきしゅう)(1283年成立、その 後も加筆)は、僧侶の無住道暁(一円)が著し、霊験談・高僧伝のほか、文芸談・笑話も収録 している。

僧侶の説法
鎌倉時代中期になると、「沙石集」からの影響かどうかは分かりませんが、説法の中で民衆を 楽しく笑わせた後、お釈迦様の教えを分かりやすく説くような手法が起こりました。
少なくとも「沙石集」の軽妙な語り口は落語に通じるものがある。

御伽衆(おとぎしゅう)
その後、室町時代(1338年頃-1573年頃)から戦国時代(1493年頃-1573年頃)に入ると、御伽衆 (おとぎしゅう)なる者が現れます。御伽衆とは、将軍・大名のそばにいて話し相手や書物 の講釈などをした人(または職)です。
豊臣秀吉におとぎ話を聞かせる御伽衆の一人、曽呂利新左衛門が落語家の先祖であると言わ れるが、架空の人物であるとも実在するとも実在したが逸話は後世の創作という説もある。

安楽庵策伝
江戸時代(1603年-1867年)になると、京都所司代 板倉重宗の咄本(はなしぼん)(笑話本)依頼 で僧侶の安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)は「醒睡笑」(せいすいしょう)(1623年成立、 1039話)を著した。書名は「こしかたしるせし筆の跡を見れば、おのづから睡(ねむり)を醒ま して笑ふ」ところから名付けられた。
話(咄:はなし)に落ちをつける「落し噺(ばなし)」の型をもつものがほとんどである。
策伝自身が笑い話が得意で説教の高座で笑いを取り入れた為、後世「落語の祖」と言われる。
名は日快、号は醒翁、俗名は平林平太夫。
京都所司代:江戸時代に京都の治安維持の任務にあたった部署。

大阪、京都、江戸で
江戸時代中期(1600年代後半)になると、ほぼ同時期に各地で噺家(はなしか)が発生しました。
江戸では、鹿野武左衛門が芝居小屋や風呂屋で「座敷仕方咄」を始めた。今の「武助馬」を 演じてました。その後、江戸時代末期1798年7月に三人のアマチュアの噺家と共に初代三笑亭 可楽(さんしょうていからく)が神社の境内に寄席を開き、木戸銭をとって初めて寄席興行とし て成功させました。同年同月、岡本万作によってもう一軒の寄席が開かれており、この二軒が 日本最初の寄席と考えられている。これを機に江戸では、一定の場所で銭を取って噺すという、 寄席興行が始まりました。
ちなみに、三笑亭可楽とは、「山椒は小粒でぴりりと辛い」から由来しています。
三笑亭可楽の弟子にはそれぞれ初代の林家正蔵(当時の表記は「林屋」)や三遊亭圓生がいた と考えられています。今の江戸落語家はすべて三笑亭可楽の子孫と言ってもいいでしょう。

京都では、露の五郎兵衛が四条河原で活躍し後水尾天皇の皇女の御前で演じることもあったとか。

大坂では、米沢彦八が現れて人気を博し、名古屋でも公演をしました。また、「寿限無」の元に なる「長名話」を作ったのが彦八であると言われています。
この上方落語「長名話」は江戸に渡り、江戸落語「寿限無」として生まれ変わります。
子供の有難い言葉の名前も大きく違います。
「寿限無」は、それぞれ有難そうな言葉の説明がありますが、元の「長名話」では、言葉の説 明がありません。「長生きして長者になる有難い名前がある。少し長いが覚えられるかな……」 というようなことで親に教えるというものです。
現在では、この元の「長名話」が話されることはなくなりました。
題目で「長名話」となっていても、内容は「寿限無」です。

ちなみに、「上方落語」という言葉は、寄席楽屋事典(花月亭九里丸編)によると昭和7年7月1日 発行の雑誌「上方」十九号で初めて使われました。それまでは大阪落語、京都落語と呼ばれてい ました。現在では京都落語が衰えてしまったので、大阪落語のことを指して上方落語と呼んでい ます。という説もありました。

江戸落語と上方落語の違い
江戸落語が専属の寄席興行を行っているのに対し、上方落語は特定の寄席を持ちません。
戦前は関西のいたるところに落語専門の定席があったのになくなってしまてました。
そのために、上方落語会で寄席を復活させようと言う活動が起き、 大阪天満宮(大阪市北区)に「天満天神繁昌亭」が2006年9月15日にオープンしました。
天満天神繁昌亭のHPもあります。

上方落語だけに使われる小道具として、
【見台】(けんだい)
演者が自分の前に置く小さな机です。見台を叩く事によって場面転換をします。

【小拍子】(こびょうし)
手の中に入る小さな板の事で、場面転換する時に鳴らして用います。

【膝隠し】(ひざかくし)
見台の前に立てる低い衝立(ついたて)のようなものです。

【はめもの】
噺(はなし)の最中に三味線を用いて入れる効果音。

江戸落語の小道具は手拭と扇子のみを使用します。

参考にしたサイト
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』寿限無 で検索
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』落語 で検索
桂伸治オフィシャルサイト の 落語Q&A
大アジア思想活劇第十三章 長名話の縁起
上方落語メモ【世紀末亭】 →【上方落語メモ/目次】→ 第2集  長名(寿限無)
東西落語特選 →子供さんのために→ 落語「寿限無」
佐野祭 →付録→ 寿限無の墓
日本文化いろは事典 →寄席芸→ 落語
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歌助かわら版■桂歌助公式サイト■ → 一問一答
古典文学ガイド → 近世→ 醒睡笑
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