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「来年の事を言うと鬼が笑う」のはなぜ?
「来年の事を言うと鬼が笑う」諸説を記載します。

先ずは、この諺(ことわざ)の意味ですが、
未知な事をいくら述べても意味がないと言うことです。

怖い鬼が笑う説
鬼とは怖い物の代表と考えられます。
来年の事など誰も分からない、それを云々と語ると、その怖い鬼でも、
人間て馬鹿だなとあざ笑うという説。

鬼が寿命を知っている説
人の寿命を鬼が知っていて、自分の寿命も知らないのにあんな事言ってる
とあざ笑っているという説。

暦が作れない説
昔は、春分/秋分の日を正確に知ることが出来なかったので、来年の暦を
早い時期から作れなかった。今でも、遠い何十年も先は分からないらしい。
四年に一回の閏年だけで計算できないみたいです。
だから、来年の事を言うと暦も作れない人間が何を言っているのかと鬼が
あざ笑っているという説。

鬼の豆まき説
昔、曽爾(そに)村という村があった。曽爾(そに)村は、大和で一番東の端の村で、
隣は伊賀の国でした。この村では年越しが来たら豆まきをします。
最初に炒った豆は神様に、次は自分らが食べるために、最後は豆まき用の豆で真っ黒に
炒ります。豆まき用の豆を炒るのは、庭にまいても芽が出ないようにするためです。
これが、「来年のことを言うと鬼が笑う」ことに起源していたのです。

大昔に、鬼が村に時々やってきて、牛やニワトリをとったり、娘をさらって山に逃げ帰って
いました。困った村人達は都の殿様に鬼退治を陳情しました。その殿様は、鬼とまともに
戦っても勝ちはないと悟り、鬼をだます手段を考えつきました。
鬼に使いを出し、「もし、今後村を襲わなかったら一国の殿様にしてやる。ただし、年越しの
豆の芽が出るのを見つけたら・・」という条件を伝えました。鬼も沢山の軍勢と戦っうのも
やっかいだし、国の殿様になれると思い、条件を了承しました。

それから毎年、春先になると、鬼は年越しの豆の芽を見つける為に国中走りまわっていました。
そんなある時、良く炒ったはずの豆がなんと、芽が出ていたのです。
鬼は喜び勇んで殿様のもとに走りました。聞いた役人もびっくりして鬼と一緒に来てみると、
影も形も無い。
村人が鬼が戻って来る間に引っこ抜いたのです。鬼は何度もその当たりを探し回ります。
とうとう鬼は泣き出しました。それを見て役人も可哀相になって
「なんでもええがな。来年も年越しがあるのや。その時又、探したらええねん。」
鬼は「なんや、来年のこと言うて・・・・・」と急に泣くのを止めた
鬼を毛嫌いしているのに来年の事を言って慰められるなんて、
人間が来年の事を言うなんてと思ったのか、笑い出した。
「来年の事をいうたら、鬼が笑う」とは、これから始まったという説。

鬼の歯折れ説
昔々、益城に福田寺(ふくでんじ)というお寺があった。ここの和尚さんは、
仏様の教えを話して聞かせるだけではなく、村人の相談役になっていた。
そして、あちこちのお坊さんたちが教えを受けに福田寺に集まってきた。
ある年の事、集まった多くのお坊さんの中に一匹の鬼がまじっていた。
にこりともしない無愛想な鬼ではあったが真剣に教えを受けようするので、
和尚さんは、快く弟子にした。

この鬼は、顔は恐ろしいが、よく働いたので、和尚さんはとてもかわいがった。
しかし、ふすまや障子を揺らす程のいびきに、他のお坊さんたちは、熟睡する
ことが出来なかった。
とうとう我慢ができなくなったお坊さんたちは、話し合って、鬼に外で寝る事を
頼んだ。鬼は、自分が悪いのだから仕方なく、庭に出て行き、いびきが聞こえな
いように、遠くの岩かげに寝た。
和尚さんは、可哀想になり、鬼に、内寺にいびきでも壊れない石の住まいを作って
暮らすのはどうかと提案した。
鬼は、住まいを作り、安心して大きないびきをかいて寝られるようになった。
今でも残っている内寺の上にある「鬼の岩屋」は、この時出来たということである。

そのころ福田寺では、益城地方でいちばん高い上徳というところにお堂を建てること
になった。上徳は、山の頂上なので、建設するのは大変な仕事であった。
その時の鬼の働きはすばらしく、三十人分以上の仕事をした。

こうして、思っていたより早く仕事が進みそうなので、和尚さんは、たいへん喜んで、
みんなにごちそうをすることにした。
ごちそうは、和尚さんの一番好きな「そばきりだごじる」(そばの粉で作った団子汁)
にした。
ところが、鬼は食べる量も多く、速く食べるので、他の人が一杯食べ終わったときには、
大釜の中はすっかり無くなっていた。でも、鬼が喜んでおいしそうに食べるのを見ると
文句も言えず、だまって我慢した。
それからの鬼は、それまで以上によく働いた。

和尚さんは、また「そばきりだごじる」をごちそうすることにした。
ところが、この時にも、和尚さんやほかのお坊さんたちは、一杯しか食べることはでき
なかった。
そして鬼は、さらに働くようになった。みんなは、「そばきりだごじる」を食べられて
しまったことの恨みも、何とか我慢することができた。

鬼の大活躍で、立派なお堂が完成した。
また「そばきりだごじる」をごちそうすることになった。
和尚さんは、鬼がもう少しゆっくり食べる方法はないものかと考えた。
もうそう竹を割って、そばきりだごと同じ形、大きさに切って入れる方法を
思いついた。竹は軽いので浮いているが、そばきりだごは底に沈んでいるので、
食べる時には、うまくつぎ分けることができる。

鬼は大口を開けて、団子を流し込んだ。部屋一杯に変な音が響いた。
鬼が顔をしかめたが、飲み込んで、三杯目のおかわりをした。
すると、とうとう歯が折れてしまって、食べられなくなってしまった。
みんなは、不思議そうな顔をしていたが、自分のどんぶりの中に入っている竹の
団子に気が付くと、にやっとして、箸でつまみ出して食べた。おかげで、
三杯ずつ食べることができた。和尚さんも三杯食べることができた。
住まいに帰った鬼は、床についたが、折れた歯が痛くて眠れない。
一生懸命に我慢していたが、とうとう泣き出して、一晩泣き続けた。

朝、心配になった和尚さんが、急ぎ足でやって来た。
大泣きしている鬼に言った。
「大丈夫、大丈夫。だいぶん折れとるが、来年はまあだよか歯の生えるばい。
泣くな、泣くな。」
それを聞いた鬼は、顔をくしゃくしゃにして笑いながら、
「和尚さん。そらほんなこつな(本当のことですか)?また、歯の生えるとな。
また、団子ば食わるるごつなっとな(食べられるようになるんですか)?」
と笑った。今まで、どんなに嬉しいときでも笑ったことのない鬼が、
大きな声をあげて笑った。

それからは、村人は、暇さえあると鬼の住まいを訪ねては、
来年は歯が生えてくるよと言っては、鬼を喜ばせた。
「来年のことを言うと、鬼が笑う。」という言葉は、この時から始まったという説。

・熊本ポータルサイト minasseくまもと (http://www.evergreen-21.com/minasse/)の中の「肥後むかし話」から抜粋しました。(リンク切れ:2014/5/11確認)
まんが日本昔話・鬼が笑った話 簡単な説明があります。(2014/5/11追記)

(注) このページをそのまま転記しているものを多々見かけます。
出典先に「スナックハーモニー・厚木」だけは記載をお願いします。


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